「毎日忙しくて大したご飯が作れない」「レトルト食品ばかりに頼りたくない」とお悩みのママさんパパさん。
また、小さいお子さんがいるご家庭では「子どもが野菜を食べなくて困る~!」とお悩みの方も多いのでは??
この記事では、そんな悩みをまるっと解決してくれる「重ね煮」という調理方法をご紹介。
2歳の子どもを持つしょくーる編集部スタッフが実際に作ってみた、おすすめレシピもお伝えしていきます!
目次
お鍋ひとつで完結できる「重ね煮」

いろいろな料理に取り入れられる「重ね煮」調理法
ひとつの鍋に、食材を層にして重ねます。フタを閉めたら、あとは弱火で煮るだけ。
材料は、少量の塩、そしてお好きな野菜。(お肉やお魚も入れられます。)
火にかけている間は放置できるので、煮ている最中は別のことができちゃいます。
いつもは煮たりゆでたりして作る料理が、重ね煮ならもっとお手軽に作ることができますよ。
難しい手順がないので、料理が苦手な方にもおすすめの調理法です。
ポイントは、重ねる順番!重ね順さえマスターすれば、誰でも手軽に作れます。
お手持ちのどんな鍋・フタでも作れる
特別な調理器具は不要!おうちにある鍋や深型のフライパンで、手軽に作れます。
重ね煮は、「鍋の中で生まれる空気の流れによって、食材の甘みやうまみを引き出す」調理方法。
そのため、お鍋とフタはぴったりサイズの組み合わせがマストです!フタには蒸気穴があってもOK!
水分が少なめの野菜を調理する場合は、焦げつかないように少量の「さし水」(大さじ2~3ほど)をしておくと良いです。
無水鍋じゃなくてもOK

ぴったりのフタ付き鍋なら何でもOK

ホーローのル・クルーゼ鍋
普段使っているおなじみの鍋でできちゃう「重ね煮」。特別な調理器具は一切いらないのが、うれしいですよね。
もちろん、「ル・クルーゼ」などのホーロー鍋で作るのもおすすめ。他にも「ストウブ」「バーミキュラ」といった無水調理に優れたホーロー鍋をお持ちの方は、ぜひ活用してみてください。
無水調理ができる鍋は、重ね煮とも好相性。熱伝導と保温機能に優れているため、食材が持つ栄養やうまみが最大限に引き出されますよ。
シンプル調理なのに、栄養満点
煮物やスープはもちろん、メインになるおかずからサラダまで、いろいろなメニューに大活躍してくれる重ね煮。
野菜を一度にたっぷり調理することができるので、作り置きにも重宝します。
重ねて煮るだけのシンプルな調理法なのに、おいしさも栄養面もバッチリ。
弱火でじっくり煮ることで、素材の甘みが十分に引き出されます。
いつもは砂糖やみりんで甘みをプラスする煮物も、砂糖いらず(ダシもいらないくらい、うまみが出ます)!
調味料も最小限に抑えられるだけでなく、野菜がしっとりと柔らかく仕上がるので、子どもたちのご飯にもぴったりです。
おいしいの?
「薄味でおいしくないのでは?」という声が聞こえてきそうですが、調味料頼りで濃い味付けの料理のおいしさとは違う、新たなおいしさに出会えるのが「重ね煮」です。
野菜が苦手という方にも、実はおすすめ。特に、野菜が苦手~というお子さんは多いですよね。
そんなお子さんたちにも、重ね煮調理をすれば「野菜がおいしい」と感じてもらえるかもしれません!
大切なのは「重ねる順番」。葉菜(ようさい)を下に、根菜を上に
重ねる順番のイメージはこんな感じです!
ポイントは3つ!
- 鍋底と、食材を重ねた上に、塩をひとつまみずつ振る
- 食材の重ね順を守る
- お肉や魚介類は、食材の一番上へ重ねる

野菜類の順番:小さい番号を「下」にして重ねていきます
ここで少しだけ難しい話を挟みますが、重ね煮とは、野菜たちが持っている「エネルギー」を調和させることで、素材のうまみを引き出すという考え方からなる調理法。
根菜なら土の中で「下に伸びようとする力」を持っているし、葉物野菜なら太陽に向かって「上に伸びようとする力」を持っています。そのエネルギー同士をぶつけ合うことで、お鍋の中で、互いのおいしさを引き出し合ってくれるんです!
根菜類にちゃんと火が通るの?と心配になるかもしれませんが、蒸気の力でしっかり柔らかくなりますよ。
「重ねて煮るだけ」で、素材のうまみがあふれ、調味料いらずの仕上がりになるなんて、とっても不思議ですよね♪
「重ね煮」がわかるオススメ書籍をご紹介
●『はじめてママとパパでもかんたん 〈0~5歳〉子どもと食べたい強いからだを作る!重ねて煮るだけおいしいおかず』

画像引用:Amazon公式サイトより
著者:田島 恵
出版社:世界文化社
税込価格:1,430円
●『野菜の蒸し煮・重ね煮で作る毎日のおかず 三方よしのシンプル調理』

画像引用:Amazon公式サイトより
著者:山崎 雅子
出版社:地湧社
税込価格:1,650円
編集部スタッフが実践!基本の重ね煮&おすすめレシピ
さて!ここからは、しょくーる編集部スタッフのオオシマが実際に作ってみたお手軽レシピをご紹介!

野菜をあれこれ切るの面倒~
と思いがちなわたしでも、無理なく実践できたレシピばかりを集めました!
生の野菜だけでなく、冷凍食材を活用してみるのも良さそうです。みなさんも、気軽にトライしてみてくださいね!
基本の重ね煮
まずは、おうちにある身近な野菜3つでできる「基本の重ね煮」から。
「野菜だけなのにこんなにうまみが?!」と驚くほど、そのまま食べてもおいしい一品です。
一度にたくさん作れるので、小分けにして冷凍ストックしておくと、何かと重宝しますよ。

基本の材料+にんじんの葉入り(撮影:しょくーる編集部スタッフ)
材料3つ・20分で完成
材料(3人×4品分くらい)
・しいたけ…1パック ・玉ねぎ…2~3玉 ・にんじん…1~2本
手順
- 材料を千切り(薄切り)にします。
- 鍋底に塩をひとつまみ振り、〈しいたけ→玉ねぎ→にんじん〉の順番で食材を重ねます。
- 上にも塩をひとつまみ振り、フタをして弱火でじっくり煮込みます。
- 15分ほど弱火にかけると、鍋からよい香りがしてきます。
- 玉ねぎが透き通り、にんじんがしんなりしたら出来上がり!
そのまま焼いたお魚やお肉に添えてもおいしいですが、味噌汁の具に、白和えや卯の花の具に、ポテトサラダの具に…と、意外にもいろいろなメニューで大活躍してくれます。

今日のメニュー、野菜がちょっと寂しいなという時に味噌汁の具にしたり、子どものご飯だけ支度しなきゃという日のうどんの具に。とっても便利です!
上の写真の「にんじんの葉入り」ですが、子どもは茎だけ残しました(笑)が、完食!夫にも好評でした!
レシピ① カレー・スープ系
ポトフ

ごろごろ野菜がおいしいポトフ(撮影:しょくーる編集部スタッフ)
基本の材料(4人分)
・具材[下から]:きのこ キャベツ じゃがいも 玉ねぎ にんじん
・お水 800㏄
作り方は簡単。それぞれの具材をざっくり大きく切り、重ねます。あとはお水を入れて煮込むだけ!
お肉を入れるときは、野菜よりやや小ぶりに切り、30~40分を目安に火を入れると◎
弱火でじっくり煮るおかげで、ほろほろに仕上がりますよ。ちょっと薄味だな?と感じる大人の方は、コンソメやダシの素で味の調整を。

もちろん、ソーセージやベーコンなどを入れても!お子さんへの取り分けに加工品の添加物が気になる方は、野菜を煮た後に、後入れすればOK!十分おいしい仕上がりになりましたよ。
カレー

トマトを入れると少ない水分で作れます
基本の材料(4人分)
・具材[下から]:トマト じゃがいも 玉ねぎ にんじん お好きなお肉
・お水 600~800cc
・カレールー
お肉は野菜と同じサイズに切ることで、火の通り具合が調節しやすくなります。
野菜が煮えたところで、子ども用に取り分けます。
ルーを入れて仕上げる手順だけが別なので、余計な手間や調理器具も不要です。

子ども用には、キャニオンスパイスの「こどものためのカレールウ。」が便利。おいしそうにパクパク食べてくれました!
ミネストローネ

野菜だけでも満足感たっぷり!
基本の材料
・具材[下から]:きのこ トマト キャベツ 大豆の水煮 かぼちゃ 玉ねぎ にんじん
・お水 お好みで
とにかくすべての野菜をさいの目切りに!鍋に入れる順に野菜を切っていけば、省スペースで下準備ができちゃいます。
20分ほど煮ると、野菜からもたっぷり水分が出てきます。野菜がしっかり煮えたところで、お好みの量の水を加え、ひと煮立ちさせれば完成!トマトのうまみがたっぷりのおいしいスープになりますよ。大人用にはコンソメや塩などで味をととのえます。
さいの目切りにするのがちょっぴり手間ですが、切る手間さえ乗り切れば、あとは火にかけて放置できるので、ズボラさんにもおすすめ。
生のトマトがない時には、トマト缶で作ったことも!
かぼちゃのほか、さつまいもを入れるとほっくりした甘みが出ます。きのこは苦手でなければぜひ入れてみてください(イチオシはえのき!)。うまみがたっぷりと出てきますよ。

レシピ② 和風のおかず系
肉じゃが

定番おかずの肉じゃがも、重ね煮でお手軽に
メモ
具材[下から]:しらたき(小さめに切る) いんげん じゃがいも 玉ねぎ にんじん お肉
味付け:しょうゆを大さじ1~2ほど(全体に回しかけ、混ぜ合わせる)
煮物類は、20~25分を目安に火にかけます。

子どもに取り分けた分は、つぶして牛乳を少し混ぜてあげたり、スープにしてあげたりしています!
かぼちゃの煮物

重ね煮では玉ねぎを入れるのがおすすめ!
メモ
具材[下から]:昆布 玉ねぎ かぼちゃ 豚肉(鶏ひき肉などでも)
味付け:しょうゆを大さじ1ほど
玉ねぎを入れることで砂糖なしでも甘みが出て、おいしく仕上がります。

鶏大根

重ね煮なら調味料が最小限に抑えられます
メモ
具材[下から]:玉ねぎ 大根 鶏もも肉
味付け: しょうゆとみりんを大さじ1~2ずつ、だしの素
ゴロっと切った大根と鶏肉に、弱火でじっくり火入れします。30~40分ほどコトコト煮込むことで、しっとり柔らかく仕上がりますよ。
こちらも、調味料は最後の仕上げでOK。野菜から出てきた水分とともに混ぜ合わせ、ひと煮立ちさせれば完成です!

我が子は鶏肉があまり好きじゃないようなのですが、柔らかく煮えたおかげもあってか、野菜といっしょに完食してくれました♡
レシピ③ おやつ系:さつまいもとりんご
さつまいもと林檎の重ね煮

自然派のおやつで体にもやさしい
メモ
具材[下から]:りんご (あればレーズン) さつまいも
差し水(大さじ2ほどでOK)
りんごとさつまいもを、お好みの切り方に切りそろえ、お鍋に重ねます。重ね煮は「皮ごと・アク抜き不要」の調理法のため、下準備もお手軽。
小さなお子さまには素材だけの味がおすすめですが、大人用にはバター&レモン汁をからめて仕上げると満足感がさらにアップ。ヘルシーなおやつで、作り置きにも便利ですね!

こどものご飯作りが楽しく・楽になる!
子どものご飯だけをササっと作ってしまいたい時ってありますよね?(晩ごはんの時間まで待ちきれないなど…!)
お好きな食材で鍋いっぱいに作れる重ね煮は、小分けにストックしておけるので、毎日のご飯づくりに、とっても便利!
一からあれこれと野菜を切って、調理して…という手間をかけずとも、野菜をきちんと摂れるご飯を短時間で支度してあげられます。
スープの具にしたり、卵焼きに混ぜてあげたり、細かくきざんでご飯に混ぜたりと、思った以上にさまざまなアレンジが楽しめますよ。
まとめ

重ね煮ストックで味噌汁もお手軽に
「離乳食」にも便利という声も多い、重ね煮調理法。
素材だけでおいしく、やわらかく、手軽に仕上げることができる調理法というのが、うれしいですよね。
離乳食にぴったりなら、安心して子どもたちのメニューにも取り入れることができそうです。
味覚が育つといわれる幼児期のご飯にも、素材のうまみをしっかり感じられる重ね煮調理は、とてもおすすめです。
大人の食事においても「添加物」や「化学調味料」を抑えることができますね。
重ね煮を取り入れたご飯が、お子さんと家族みんなで「おいしい」をシェアできる食卓の一助になりますように☆
この記事を書いた人
オオシマ(しょくーる編集部スタッフ)
アンパンマンが大好きな娘をもつ1児の母。料理が好きな気持ちはあるものの、キッチンに立つ時間はなるべく短く済ませたい省エネ人間(子どもの笑顔だけが原動力)。
その気持ちが届いてか(?)現在2歳の娘は、いまのところ好き嫌いなく成長中!
大人顔負けの食欲旺盛ぶりに、ふり回される日々を過ごしています。