おじいちゃんおばあちゃんの家へ行ったとき、小さなお子さんが「いただきます!」「ごちそうさま!」と上手に挨拶できると、料理を準備した人はもちろん周りの家族も、その愛らしさについ笑顔になったりしますよね。
一方で、「うちの子は、いただきますとごちそうさまの挨拶がまだできない…」と内心お悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、1~2歳児向けの「元気な食事の挨拶が身につく」おすすめ絵本5冊をご紹介。
さらに、読み聞かせが楽しくなるポイント、しょくーる編集部スタッフの体験談も併せてお伝えします。
目次
「いただきます」や「ごちそうさま」は必要?
1~2歳頃は、離乳食が終わり、幼児食へ移行する時期です。以前はちゃんと食べていたのに、好き嫌いが出てきたり、遊びに夢中で食事中も動き回ったり…。
食事の時に「いただきます」「ごちそうさま」の挨拶をするのは、こどもに「今から食事の時間ですよ」「食事の時間はおしまいですよ」と伝える意味もあります。
無理に言わせる必要はないものの、作ってくれた人へのマナーとして、そして食べ物に感謝するという食育の観点でも、できれば小さいうちに身に付けてほしい挨拶といえるでしょう。
とはいえ、いくらご飯の時間であっても、お腹が空いていない限りそんなことはお構いなし、というのがお子さんあるある。
今は食事をする気がないのかな?という時には、いったん食卓を離れて、「いただきます」と「ごちそうさま」を題材にした絵本を読んでみるのも手です。
しょくーる編集部スタッフ・30代女性
私の1歳5カ月の娘は、椅子に座らせると暴れだし、食事が終わってスプーンを片付けようとするとまた大暴れ。「いただきます」も「ごちそうさま」も、いくら食事の時に練習してもやってくれませんでした。
そこで娘は絵本が好きなので、絵本で「いただきます」と「ごちそうさま」を練習してみることにしました。すると食事の始まりと終わりに絵本を見せることで、暴れていてもいったん落ち着いて、手を合わせてくれるようになりました。
▽さらに詳しく知りたい方は▽
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絵本の選び方と読み方
「食事の挨拶」を練習するための絵本を選ぶポイントは、お子さんの成長過程に合った絵本を選ぶことです。
本を破ったり、かじったりしてしまうお子さんの場合は、ボードブックなどの厚手の紙質で、しかけのないシンプルな絵本を選ぶと良いでしょう。
「~は何かな?」などのやりとりができるお子さんなら、問いかけのある絵本を一緒に読むと、楽しめるはずです。
絵本の読み方
- お子さんの気に入ったものを、繰り返し読む
いろいろな絵柄・登場人物・しかけの絵本があります。
お子さんが気に入った本を、繰り返し読んであげましょう。 - 読みながら、真似してみる
登場人物の「いただきます」「ごちそうさま」に合わせて、親子で一緒に手を合わせて、挨拶してみましょう。 - 読み方を工夫してみる
例えば食事を始める前に絵本を読んで、登場人物と一緒に「いただきます」をしてから食べ始めるなど、読み方を工夫してみましょう。 - 一番大事なのは、「楽しむこと」
「いただきます」「ごちそうさま」をお子さんができなくても、気にしないようにしましょう。
一番大切なことは、親子で絵本を楽しむことです。
楽しみながら何度も繰り返すうちに、そのうち自然に、一緒に挨拶してくれるでしょう。
それでは、おすすめの絵本を5冊ご紹介します。
長年愛されるロングセラー絵本:『いただきますあそび』

画像引用元:偕成社公式サイトより
作・絵: きむら ゆういち
出版社: 偕成社
税込価格: 748円
ページをめくると、いろいろな動物たちが「いただきます」をする仕掛け絵本です。
最後はみんなで一緒に「ごちそうさま!」
おすすめポイント
- 1988年発行の、長年愛されるロングセラー絵本です。
- 「きむらゆういち」の「あかちゃんのあそびえほん」シリーズの③。
他シリーズも読んでいれば、おなじみのキャラクターが登場するので、より楽しめるでしょう。 - 繰り返し動物たちの「いただきます」を見ることで、食事のマナーが楽しく覚えられます。
- 「通常版」と「おでかけ版」があります。
おすすめはボードブックタイプの「おでかけ版」。ボードブックは厚みがあるため、ページが折れ曲がる心配がありません。
またお子さんが自分の手でめくりやすい、小さめサイズです。
和風ちぎり絵がかわいい:『あかちゃんのためのえほん いただきます』

画像引用元:講談社BOOK倶楽部HPより
作・絵: いもと ようこ
出版社: 講談社
税込価格:858円
うさぎさん、いぬさん、ねこさん……、いろいろな動物たちが、「いただきまーす!」と元気いっぱいに、ごはんを食べます。
最後はみんなで「ごちそうさま!」
おすすめポイント
- 最大の特徴は和紙のちぎり絵で描かれた、温かみのある、かわいい動物たち。
癒されるイラストに夢中になっているうちに、自然に「いただきます」が身につきます。 - お子さんが、自分の手でめくりやすい小さなサイズで、厚手の紙質。
しかけのないシンプルな作りのため、低月齢のお子さんから楽しめます。
シンプルな問いかけのしかけ絵本:『ごはんは なあに?いただきまーす』

画像引用元:永岡書店公式サイトより
作・絵: まつお りかこ
出版社: 永岡書店
税込価格: 968円
いろいろな動物たちの「ごはんはなあに?」の問いかけをめくっていく、しかけ絵本です。
しかけをめくると、「いただきます」をしている動物たちの食事風景が現れます。
最後は「きょうのあなたのごはんは なあに」と、読者へ問いかけます。
おすすめポイント
- 問いかけが「ごはんはなあに?」に統一されており、回答も「バナナ」など、一単語でシンプル。
言葉を覚え始めのお子さんに、ぴったりです。 - 最後の問いかけは、読者への問いかけになっています。
食事の前に読んで、「きょうの~ちゃんのごはんは何かな?」と、お子さんに問いかけてみても楽しいでしょう。
読者の分の料理にお子さん大喜び:『いただきます』
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画像引用元:童心社公式サイトより
作・絵: 新井 洋行
出版社: 童心社
税込価格:1,320円
しかけをめくって動物たちの「だいこうぶつ」を当てよう。
動物たちの前には空っぽのお皿。
上下に分かれたしかけの、上をめくると、答えの文章と一緒に、にこにこ笑顔の「いただきます」が。
下をめくると「だいこうぶつ」が、お皿の上に現れます。
最後には読者の分の料理も……?
おすすめポイント
- 問いかけは「あかくて おおきい くだものはなにかな?」、答えが「しゃきしゃき りんご」のように、少し複雑。
1歳後半~2歳くらいのお子さんと、問いかけのコミュニケーションが楽しめるでしょう。
答え合わせと一緒に「いただきます」を繰り返すうちに、自然に挨拶が身につきます。 - 最後のシーンに、読者の分の料理が用意されていることが最大のおすすめポイント。
- ページは柔らかい紙質で、上下に分かれた仕掛けが折れやすいので、注意が必要です。「ごちそうさま」のシーンはありません。
しょくーる編集部スタッフ・30代女性
私の娘は、この絵本の最後のシーンを見せると、嬉しそうに「いただきます」をしてくれます。
楽しくマナーを学べる:『いただきますの おやくそくだもの』
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画像引用元:あかね書房公式サイトより
作:きだに やすのり
絵: わたなべ あや
出版社:あかね書房
税込価格:990円
果物たちが「食事のお約束」を教えてくれる絵本です。
「手を洗う」「おもちゃにばいばいする」「残さず食べる」など、食べる前から食事が終わるまでのマナーを、小さなお子さんにもわかりやすく伝えてくれます。
もちろん「いただきます」「ごちそうさま」のシーンもあります。
果物たちと一緒に、手を合わせてみましょう。
おすすめポイント
- 「食事の前に、おもちゃを片付けなさい」など、ついつい強く注意してしまうような内容を、「おもちゃにばいばいして。またあとであそべるよ」とかわいい果物が、柔らかく呼びかけてくれます。
- 「~しなさい」ではない優しい言葉選びは、普段の声かけの参考にもなります。
- 「いただきます」「ごちそうさま」はもちろん、堅苦しくなりがちな食事のマナーを、楽しくお子さんに伝えられます。
食事の挨拶は絵本で楽しく学びましょう
「いただきます」で食べ始めて、「ごちそうさま」ですっきり終わりたいのに、なかなかやってくれない。
そんな時は、親子で楽しく絵本を読みながら、食事の挨拶を練習してみるといいかもしれません。
しょくーる編集部スタッフ・30代女性
「いただきます」も「ごちそうさま」も、できない時は、できないものです。
今回ご紹介したように、絵本の効果で、お子さんが元気に食事の挨拶をしてくれると嬉しいですね♪
ちなみに我が家では、1冊だとこどもが飽きるので、この5冊の本を交互に読んで練習しました。
この記事が、みなさんの楽しいお食事時間の一助になりますように!