こどもの躾(しつけ)のひとつ、食事のマナーは毎日のことだからできれば早めに身につけさせたいですね。
スプーンやフォークの使い方、お箸の持ち方と練習方法のほか、食事中のマナーなどいつ頃からどんなふうに伝えるかポイントをご紹介しましょう。
※商品の価格は税込・2021.5.12.現在のものです。
目次
スプーン、フォークが使えるのはいつから?
スプーンやフォークは離乳食がスタートし始めると、保護者が使って食事をさせますね。
少しずつ「自分で食べたい!」「スプーンを持ちたい!」という意思がこどもに見られるようになるのが1歳前後。
その頃になるまでに、うまくスプーンやフォークを使って食べられなくても、持たせてあげましょう。
持たせても初めは使えませんが、「スプーンやフォークは食事の時に使うもので、口にいれてごはんを食べる道具だ」という認識を持てるようにするためです。
手に持っていても手づかみで食べたり、使おうとしてもスプーンでうまくすくえなかったり、フォークで食材をさせなかったりし、癇癪を起してしまうことがあるかもしれません。
どうせ手づかみだから・・・上手く使えなくて怒るから・・・と用意するのを止めてしまうことなく、食事の時はスプーンやフォークを一緒に用意するようにしておきたいですね。
上手に使えるようになると、「スプーンやフォークで食べたほうがラクでおいしい!」ということに気づくようになります。
それまではあそんだり、持っているだけだったり、投げてしまったりと上手くいきませんが、根気よく用意してあげましょう。
お箸の練習はいつから?
お箸はいつ頃から練習するのが良いのでしょうか。
目安の一つとしては、「スプーンやフォークを鉛筆持ちできるようになったら」「ピースサインをできるようになったら」、お箸の練習を始めるきっかけになるといわれています。
また、保育園や幼稚園の年少クラスから入園する予定があるのなら、入園の前にはできるように練習しておきたいですね。
平均的には3歳くらいから、早ければ2歳からでも良いでしょう。
使用するお箸はこどもの手の大きさに合ったサイズのものにしましょう。
お箸の目安のサイズが記されている商品もあるので、参考にしてみましょう。
初めは、全ての指で握ってしまい上手く使えなくても大丈夫です。
食事に使用させても良いのですが、初めは遊びの中で使ってみるのも良いでしょう。
お箸でお豆をつかんで運んでみたり、おままごと遊びの中で使うのも良いですね。
「食事にも使いたい!」とこどもが思った時がチャンス。
上手に使えなくてもお箸を食事シーンに加えられた成長をこどもと一緒に喜び合いましょう。
矯正箸を使うことのメリット、デメリット
いざ練習を始めるとき、普通の2本のお箸にするか、矯正橋にするか迷いますよね。
トレーニング箸またはしつけ箸とも呼ばれる矯正箸、こどものファースト箸として選ばれている方も多いでしょう。逆に、口コミなどでは批判的な意見も見られます。種類や形状も豊富な矯正箸ですが、もちろんメリットとデメリットがあります。
メリット
最大のメリットは、指先にあまり力を入れなくても、食べ物がうまく掴めることです。また、お箸がバラバラになることもないので、正しい持ち方を自然に体で覚えられます。
わりと小さいお子さんにも扱いやすいため、お箸への抵抗感を少なくするために、導入として使う方が多いようです。
デメリット
その一方で、よく聞くマイナスポイントは、普通のお箸に移行するのが難しいという点です。指の力がなくても使用できた矯正箸とは違い、普通の2本箸の場合は指の力が必要だからです。
さらに、矯正箸とは力の入れ方が異なるため、すでに癖がついてしまったりしている場合、普通のお箸に戻すのにまた時間や手間がかかる、といった意見も。
とはいえ、やはり頼りになる子育て便利グッズの矯正箸。
100円ショップなどでも手軽に購入できるので、気になる方は、一度試してみてもいいかもしれませんね。
エジソンのお箸 右手用・左手用(エジソンママ)
楽天市場のBACKYARD FAMILYより 1,216円(税込・2021.5.12.現在)
親指と人指し指にリングがついているため、正しい持ち方の位置に指を固定してくれて、自然にお箸を持つことができます。
対象年齢は2歳からです。箸の長さは約16cm、リングはやわらかいシリコーン製です。
シリコン おはし・もてたくん
楽天市場の100円ベビーグッズ&バラエティグッズより 110円(税込・2021.5.12.現在)
自宅にあるこども用の2本箸に差し込むだけで、簡単に矯正箸になるスグレモノ。おはし・もてたくんを装着することでお箸がバラバラにならず、先端も合わせやすくなります。
アンパンマン 持ちかた覚え箸(レック)
ホームセンターセブンRakuten店より 864円(税込・2021.5.12.現在)
親指の位置を教えるサポート付きで教えやすいよう工夫されています。お箸の使い方の上達に合わせて、徐々にサポートを減らすことができ、最終的にお箸だけで使用できるように。ケース付きで持ち運びもOK。箸の長さは約15cm。
2本箸にも掴みやすい素材や上手に持てる工夫アリ
見た目は大人と同じ普通の2本箸ですが、こども用のお箸には、持ちやすさや形状・材質などが工夫されたものがたくさん出ています。
その中で、おすすめのこども用2本箸をご紹介します。
こども用2本箸なら使いやすい!
子供用三点支持箸 右利き用(イシダ)
楽天市場のthree-rより 595円(税込・2021.5.12.現在)
指を当てる部分がくぼんでいるため、自然に正しい箸の持ち方ができるように工夫されています。箸先にはすべり止め加工つき。3歳~小学校低学年のお子さんまで、手のサイズに合わせて選べます。天然木使用。
八角 練習おはし(みよし漆器本舗)
楽天市場のみよし漆器本舗より 330円(税込・2021.5.12. 現在)
丸に近い八角形のお箸は手にもなじみやすく、転がりにくいのがいいところ。箸先が先角仕上げ(箸先が四角形)されており、米粒や麺類などが掴みやすいように工夫されています。材質は栗の木で、漆塗り仕上げ。
おこさま練習箸(山久漆工)
楽天市場の創業90年 福井県の漆器工房 Kasaneより 1,000円(税込・2021.5.12.現在)
福井県で自然木を使用して作られたお箸。木に漆を何度も染み込ませる「拭き漆」(摺り漆)で仕上げており、撥水性、防カビ、防虫、防菌に優れています。
握りやすい三角形の形状と箸先を四角にすることで、滑りやすい食材も掴みやすいように工夫されています。
お箸上達の極意はこどもと一緒に食事を楽しむこと
正しいお箸の持ち方は、大人であってもできている人とそうでない人がいますよね。
そのぐらい難しいものだと理解したうえで、大人も根気強く構えて、お子さんの気持ちに寄り添い気長に見守っていきましょう。
ときには、お子さんがすすんでお箸の練習をしたがるような遊びや工夫を取り入れましょう。
パパやママが一緒に箸を使う
お子さんがお箸の練習をするときにお手本となるのは、身近にいる家族です。
パパやママが正しいお箸の持ち方で、よいお手本になれるといいですよね。少し自信のない方でも大丈夫。
大人用の矯正箸も色々ありますので、この機会にお子さんと一緒に正しい持ち方をマスターしてみては?
ゴムなどを使って指を固定
箸が落ちないようにゴムなどで、箸と手を固定する練習方法です。
まず8の字にゴムをクロスさせます。親指と人差し指を8の字にかけ親指の輪の方にお箸を1本通します。あとは人差し指と親指でもう1本のお箸を握るだけです。
この1本が親指に固定されているため、きれいな持ち方で練習できます。
※指にかけるゴムがきつくなりすぎないように注意してください。
遊びの中でお箸の練習
最初は遊びの中にお箸の練習を取り入れてみましょう。
最初から食べ物で練習をするとうまく掴めず、食べるのに時間がかかりイライラしてしまうこともありますよね。
それを防ぐために、まずは楽しみながら遊びを通して、お箸の使い方のコツを習得してみてはいかがですか。
好きな大きさにカットできて滑りづらいスポンジや、ちょっと上手になってきたら豆類など難易度を変えて、親子でゲーム感覚でお箸の練習ができます。
お箸で掴みやすいメニューで練習
お箸の使い方に慣れてきたら食べ物で実践です。食べる楽しみと一緒にお箸の使い方を練習できます。
少しでも成功できるように、滑らず、掴みやすいメニューでお箸の練習することがおすすめです。
さつまいもスティック
さつまいもはお箸で掴みやすいため、練習によい食材です。
細長く切り、茹でても焼いても大丈夫。おやつの時間に練習してみるのもよいですね。
ブロッコリーとトマトのサラダ
ブロッコリーはゴツゴツしていて掴みやすく、お箸の良い練習になります。
同時に、少し難易度高めのつるつるしたトマトにもチャレンジしてみましょう。ミニトマトを使う場合は、喉に詰まらないように半分にカットしてください。
幼児期に始めるお箸練習は、正しいお箸の持ち方の基礎となる大切なファーストステップ。そのため、手のサイズに合った、使いやすいお箸をぜひ見つけてあげてください。
食事前後のマナーはいつから?
食事前後のマナーは、知らず知らずのうちに身についていることが理想です。
食事の前はお手洗いを済ませておく、手を洗う、いただきますの挨拶をする、食後はごちそうさまと挨拶をし、できれば食器を下げるなど、一連のマナーを小さなときから身につけておけば、わざわざ躾けることもなくなるでしょう。
また、できれば食後は歯磨きの習慣も付けておきたいですね。
保育園や幼稚園などの集団生活の場では、歯磨きがほとんどです。
家庭で身につけておけるとこどももラクですね。
まだ手洗い・歯磨きができない時期は、お手拭きで手を拭いてあげる、挨拶ができなければ、保護者が言ってあげる、食後は歯磨きや口濯ぎの代わりにお茶や水を飲むなど、繰り返すことで食事前後のマナーは日常的になり、こどもにも自然と身についていくことでしょう。
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食事中のマナーはいつから?
食事中のマナーは、食べているときに立ち歩かない・口に食事が入っているときは話さない、箸の細かなマナー(刺し箸・寄せ箸など)・残さず食べる、などがあるでしょう。
これも、離乳食後半から幼児食へ進んだ頃からこどもができなくても保護者が常日頃からやって見せることで、覚えていくでしょう。
特に食事のマナーは躾て覚えさせるというよりは、こどもが体で覚え自然と身についていくのが理想です。
食事の時間は、周囲の大人が少しずつ意識をし、挨拶やマナーを心がけこどもに見せながら伝えていきましょう。
テーブルマナーの絵本も参考に
こどもに何かを教えたいときは、こどもが興味を持つことが大前提です。
興味や関心がないのにいくら教えても何も伝わりません。
食事のマナーについては、楽しく食事をしながらマナーを伝えるのが難しいと感じる保護者もいるでしょう。
そんなときは、食事のマナーがテーマの絵本を使って伝えてみることをオススメします。
テーブルマナーの絵本/高橋紀子・作/あすなろ書房
いただきます・ごちそうさまの挨拶の意味あいから、食器の配置、カトラリーの使い方、よそのお宅へお邪魔したときの食事の仕方など、小さなうちから知っておいてほしい食事のマナーが優しいイラストとともに描かれています。
大人が読んでも勉強になる絵本。ぜひ親子で確認しながら読んでみたいですね。
はしのもちかた/小永井道子・作/偕成社
お箸の持ち方を丁寧なイラストともに教えてくれる絵本。
こうやって持つのだよと、絵本と一緒にお箸を持ち親子で練習できますよ。
なかなか言葉で伝えるのは難しいお箸の持ち方も、絵本があれば伝えやすいし、こどもも楽しんで覚えてくれそうです。
絵でわかるこどもせいかつずかん・しょくじのきほん/子どもの生活科学研究会・編集 きたもり ちか・絵/合同出版
カトラリーの使い方、食べ方、食器の持ち方、冷蔵庫の使い方、お手伝いのやり方など、食に関する様々な知識が一冊になった図鑑式の絵本です。
小さなうちに身につけておきたい、食事のマナーや心がけ、礼儀作法など、きちんと大人が教えておきたいこととして、保護者も勉強になることでしょう。
まとめ
食事のマナーについては、赤ちゃんから幼児期の頃は食べさせることに必死で、挨拶については伝えていても、マナーについてはなかなか伝えられていないものです。
マナーは大切ですが、基本的には、食事は楽しくおいしい時間ということは、忘れないでいたいですね!
絵本などでマナーについて見返すと、大人もハッとすることがたくさんあるはず。
こどもの成長ととともに伝えておきたいマナーを、親子で一緒に身につけながら、楽しく節度ある食事タイムにしてみませんか。