日本の伝統行事であるお正月。
毎年何気なく過ごしている人も多いと思いますが、お子さんにその意味を聞かれて、しっかり答えられなかった経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。
この記事では、絵本を通じて「お正月」という日本の行事や伝統を伝えるメリットや、食育にもオススメの絵本をご紹介します。
お正月についての絵本ってどんな内容??
一年の始まりの行事である「お正月」。
日本人が大切にしてきたお正月ですから、これをテーマの絵本はたくさんあります。
お正月の意味が学べる
お正月には、親戚が集まって挨拶をしたり、初詣をしたり、おせち料理を食べたり、鏡餅を飾ったりと、昔から続く日本の風習があります。
「どうしておめでとうって言うの?」「きれいな飾りをするの?」など、お子さんの素朴な疑問にうまく答えてあげるのは難しいですよね。
そんなとき、意味を紹介してくれる絵本があれば、絵と文章からスムーズにイメージできますよ。
お正月の過ごし方が分かる
昔は家族総出でおせち料理を用意したり、大掃除をしてお正月飾りの準備をしたりしていました。
しかし近年では、お料理も飾りも既製品が簡単に手に入ります。
三ヶ日もお仕事があって、家族でゆっくり過ごせない家庭も増えているでしょう。
ライフスタイルの変化によりお正月について家族で話す機会も減っているため、お正月の過ごし方を知らないお子さんも増えているようです。
日本人が大切に育んできた風習を知るという意味でも、お正月の絵本に接することは有意義な体験になるのではないでしょうか。
食育につながる
そもそも「食育」とは、色々な経験をすることによって、「食」に関する知識と、バランスの良い「食」を選択する力を身につけ、健全な食生活を実践できる力を育むこと。
食べることは、生まれてから死ぬまで一生涯続く基本的な営みなので、こどものときだけではなく、大人になってからも重要です。
お正月には、おせち料理やお雑煮といったそのときでしか味わえない料理があります。
それを説明する絵本に触れることで「どうしてこれを食べるのか」「どんな意味があるのか」を理解できれば、お正月の家族の会話も充実するのではないでしょうか。
苦手な食べ物にも挑戦するきっかけになるかもしれませんよ。
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お正月の疑問に答える絵本をご紹介
それでは、知っているようで知らないお正月のあれこれについて解説します。
またこどもの疑問にこたえてくれる絵本も紹介しますね。
お正月ってなあに?
昔から元旦には「年神様」という新年の神様がやってくるといわれています。
年神様は子孫繁栄や五穀豊穣に深く関わり、人々に健康や幸福を授けるとされていて、この年神様を迎えるお祝いがお正月です。
「あけましておめでとうございます」という馴染みのあいさつには、無事に歳を越し、年神様を迎えることのできた喜びと感謝の気持ちが込められています。
「おしょうがつおめでとうはじまりの日!」
作:ますだゆうこ 絵:たちもとみちこ
出版社:文溪堂 価格:1,540円
いたずら子ねこみ〜みは、家族の雰囲気がいつもと違うことに気がつきます。
大晦日の夜、家族のみんながどこかへ出かけていくので、こっそり後をつけるみ〜み。
門松やお年玉などといった、お正月のなぜ?がわかる絵本です。
ますだゆうこさんの文章とたちもとみちこさん絵の行事絵本は、四季を通じて行なわれる様々な行事の意味がよく分かる、お薦めのシリーズです。
「おしょうがつさんどんどこどん」
作・絵:長野ヒデ子
出版社:世界文化社 価格:1,100円
おばあちゃんは、私とねこちゃんとたこちゃんと小坊主ちゃんに、歌いながら年越しと新年の迎え方を教えます。
おせちの意味や大掃除の理由など、大人も思わずためになる知識がたくさん。
おばあちゃんが「どんどこどん!」と歌っている様子は、読み聞かせしても楽しめそうです。
おせち料理ってなあに?
おせち料理とは、年神様に供える供物料理です。
元々は、季節の節目に行う節句の料理を「御節料理」などとよんでいましたが、やがてお正月だけをさすようになりました。
作り置きできる物が中心なのは、かまどの神様を休めるため。
家族の繁栄を願うため縁起物を多く入れ、めでたさが重なるように重箱に詰めます。
「おせちいっかのおしょうがつ」
作・絵:わたなべあや
出版社:佼成出版社 価格:1,430円
お正月準備に追われる重箱の中では、“おせちいっか”が大忙し。
可愛らしい絵で描かれた“おせちいっか”が暮らしている様子は、子どもたちの心をぐっとつかみます。
おせち料理の由来もわかる楽しいお正月絵本です。
これを読めば重箱を開けるのが楽しみになること間違いなし!
鏡餅ってなあに?
年神様は、私たちの生きる力のようなものである「魂」を分けてくださると考えられていました。
年神様の御霊は年神様の居場所である鏡餅に宿るとされています。
この鏡餅を食べることで、その「魂」をいただきます。
「おもちのきもち」
作:かがくいひろし
出版社:講談社 価格:1,650円
「もしもおもちに心があったら?」という斬新な発想の絵本。
鏡餅がおもちの気持ちを語っていくという、一人称視点で描かれています。
先が読めない奇想天外なストーリーに、最後には思わずびっくりしてしまう展開が待っています。
お正月に家族みんなで笑顔になれる一冊です。
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絵本を通じてお正月を知ろう!
お正月は、人々に健康や幸福を授ける年神様を迎えるお祝い。
近年では、お料理や飾りは既製品が簡単に手に入り、家族ゆっくり過ごせない家庭も増えています。
絵本であれば、絵と文章からお正月をイメージし、身近に感じることができますよ。
おせち料理やお雑煮といった、お正月でしか味わえない食べ物もたくさんあるので、食育にもつながります。
お正月と言っても、おせち料理や鏡餅など、いろいろなテーマの絵本があります。
ぜひ、家族みんなでお正月の絵本を読んでみてくださいね。