早ければ離乳食が始まった頃から、こどもに「いただきます」「ごちそうさま」と食事の挨拶をするように促しているのではないでしょうか。
けれど食事の挨拶ってなぜするのでしょう。
また、言葉にはどのような意味合いがあるのでしょうか。食事の挨拶についてひも解いてみましょう。
「いただきます」の意味とは?
「いただきます」という言葉にはどのような意味合いがあるのでしょうか。
食事を食べ始める前の挨拶として欠かせない言葉である「いただきます」は、「頂く」という言葉ですが、これから口にする食材や素材は命のあるものであり、その命を頂くという意味があります。
野菜や肉、乳製品など、全て生きた命を自分の体に取り入れ頂くということに、感謝の気持ちを込め「いただきます」という言葉があるのだとか。
また、もう一つには食事を作ってくれた人への感謝の気持ちをこめて「いただきます」と挨拶をすると言われています。
どちらも知っておいて心に留めておきたい大切なことですね。
いいただきますの語源や意味合いについて、食事のたびに伝えなくても、時々は思い出してその意味を伝えてあげましょう。
「ごちそうさま」の意味とは?
では、食後の挨拶である「ごちそうさま」にはどんな意味があるのでしょうか。
漢字でごちそうさまを書くと「御馳走様」と書きます。
昔はスーパーのようにひとつのお店に食材が集まっている、という店舗がなかったので、あちこち走り回っては食材を買い集めていました。
買い物をするだけでも大変な時間と苦労が必要だったのです。
「馳走」とは、そのようにあちこちを走り回るという意味合いがあります。それに丁寧さを表現する「御」や「様」がつけられ「御馳走様」となりました。
食材を用意し、食事を作ってくれた人への感謝の気持ちを込めて「ごちそうさまでした」という言葉の意味なのです。
絵本でも「いただきます」を学ぼう
こどもに身近で親しみのある絵本を通して、食事の挨拶や食べることに対する感謝の気持ちをはぐくみたいですね。
おすすめの絵本をご紹介します。
①いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日
生きている動物を「解いて」食肉にする仕事がある、目を背けず真実を知ることが本当に「いただきます」になるのではないでしょうか。
生きていてるものの命をいただくということは、どういうことなのか、こどもと真剣に向き合い親子でしっかりと読み取りたい絵本です。
②しんでくれた
おいしそうなハンバーグのイラストと相反する、ストレートなタイトルにどきっとしますね。
食材は命を頂いているという根本のお話を、かわいらしいイラストと、ストレートな詩で伝えてくれる絵本です。
こどもには回りくどくなく、ストレートに本当にことを伝えたい、理解してもらいたい、そしていただきますという感謝の気持ちで大切に食べてほしいという作者の気持ちが伝わる絵本です。
③もったいないばあさんのいただきます
食べることが苦手なこども、好き嫌いの多いこどもが少しでも食べることに関心を持ち、残さず食べてくれるようになったら…そんな作者の思いが伝わる絵本です。
なぜ食べ物を残してはいけないのか、ちょっとお説教のようですがこどもの心に伝わる易しい言葉でつづられています。
いただきますを言ってから食べるということが大切なんだということも理解できることでしょう。
④いのちのたべもの
夕飯のメニューは鍋。鍋に入れる食材をスーパーにお買い物に行きます。
食材はどこから採れたものなのか、海のもの、山のものなど、お母さんが教えてくれます。
食材がどこで生まれた命なのかということに着目し、大切にいただくということが伝わる絵本です。
感謝をするだけではなく、素材を良く知るということも大切ですね。
⑤やさいのおしゃべり
冷蔵庫の中で長い間眠っている、使われないお野菜の悲しそうな声。
なんだかお母さんにとっても耳の痛いお話しかもしれませんね。
食材を大切に食べること、無駄にしない、残さないで食べることの大切さなどが伝わる絵本です。
かわいらしい野菜たちが真剣な表情で悩む場面は、こどもの心にも届きそうですね。
料理を作る私たちも、無駄のない買い物をし、食材を大切に使い切ること、食材をおいしく新鮮なうちに家族に食べさせることの大切さを学べる絵本です。
外国語で「いただきます」はどう言うの?
外国では「いただきます」や「ごちそうさま」など、食材や作ってくれた人に対する感謝の気持ちや挨拶は特にありません。
もちろん誰もが同じ気持ちを持っているはずです。
ですが、食前食後の挨拶をするのは日本特有の文化です。
食事の前にお祈りをする風習がある家庭もありますが、それは食に関する感謝の気持ちだけではないお祈りでしょう。
外国の人からは、こういった日本古来の挨拶の習慣をうらやむ声もあるのだとか。
日本の習慣は食事のたびに感謝の気持ちを言葉にして表す、という独自の素晴らしい文化が根付いています。
日本古来の昔から、食事の挨拶は歴史ある習慣です。
日本は全てのものに感謝をしながら生きるという昔ながらの考え方があります。
このような素晴らしい文化があるのは、日本だけなのだということを、ぜひお子さんにも伝えてあげましょう。
まとめ
「いただきます」と「ごちそうさま」の言葉の意味についてご紹介しました。
食事を作る保護者もこの挨拶の意味を知っていることで、食事を作るときも子どもに食べさせるときも、自然と心から感謝する気持ちになるのではないでしょうか。
日本特有の歴史ある素晴らしい文化を、ぜひお子さんと大切にしていきたいですね。
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